こんにちは!COREトレSTUDIOの久志本です。
今回はポルトガルのサッカー連盟が2020年に発表した、試合でのパフォーマンスアップと試合後の回復を早めるための食事戦略についてご紹介します。
Instagramでは栄養素とその摂取量などだけを紹介していたので、ここでは具体的な食事例もご紹介していきます。
この栄養摂取モデルはポルトガルのエリートサッカー選手(男性)を対象に考案されたものですが、基本的な考えは他のスポーツにも共通するので、ご参考にしていただけるかと思います。
※今回の具体的な食事例は体重60kgの男性で計算しております。
【試合の1~2日前】
ポイント:十分なエネルギー摂取、筋肉の合成に必要なアミノ酸の摂取、良質な脂質の摂取
・十分な炭水化物を摂取する(6~8g/体重)
・タンパク質を適度に摂取する(1.6g/体重)
・ビタミンとEPA/DHAが豊富な不飽和脂肪酸を優先させ、脂質をカロリー摂取全体の20~35%の割合で摂取する。
・抗酸化作用の高い食品を積極的に摂る。
・トレーニング後の水分摂取を特に意識し、1日を通して十分に水分を摂取する。
・食物繊維を適量摂取する(25g/日)
《具体例》
朝:ごはん(茶碗1杯)、スクランブルエッグ(卵×2個使用)、納豆、サラダ(アマニオイルをドレッシングとして使用)
昼:ガーリックライス(どんぶり1杯程度)、牛ステーキ、トマトとレタスのサラダ(オリーブオイルをドレッシングとして使用)
間食:ミックスナッツ、おはぎ
夕飯:ごはん(どんぶり1杯)、サバの味噌煮、味噌汁、キムチ
【試合前日の最後の食事(夜)】
ポイント:エネルギーは補給しつつ、内臓が疲れないように消化吸収の良い食事
※睡眠の質を下げないために、最低でも就寝の4時間前までに食事を終える。
・胃のコンディションのため、脂質と食物繊維の摂取は抑える。
・十分な水分摂取量を確保する。
《具体例》
ごはん(どんぶり一杯)、鍋(鶏肉、豆腐、ホタテ、白菜など)
【試合当日(スタジアム到着から試合開始まで)】
ポイント:すばやく消化されエネルギーとなる糖質と、必要に応じてエルゴジェニック系サプリ。
・十分な炭水化物量を摂取する(30~60g)
・カフェイン、硝酸塩(NO3イオン)、βアラニン等のエルゴジェニックサプリ(運動パフォーマンスアップの効果が期待できるサプリ)は試合開始60分前に摂取すべきと考えられる。
《具体例》
試合前:試合の60分前に具なしおにぎり一つとともに、必要に応じてカフェイン、クレアチン、アルギニン等のエルゴジェニック系サプリ。
(30分前になってしまう場合はバナナ、蜂蜜のついたベーグルなど、消化の速い単糖を多く含むもの)
延長戦/ハーフタイム:長時間の試合が予想される場合、エナジーゼリーで糖質を補給。
【試合後2~4時間まで】
ポイント:速やかな筋グリコーゲンの回復と酸化ストレスを浴びた筋肉の修復
・速やかに炭水化物を摂取する。推奨は試合終了後2~4時間までに1g/kg/時
・栄養摂取の遅延を防ぐため、脂質の多い食事は控える
・抗酸化作用のあるビタミンA,C,Eは運動直後の回復に関連がある
・カフェイン(3~4mg/体重)及びクレアチン(5g程度)は筋グリコーゲンの合成を促進する可能性がある。
《具体例》
試合終了後:おはぎ、コーヒー
帰宅後:ごはん(どんぶり一杯)、サバ焼き、卵焼き、味噌汁、トマト・ブルーベリー・レタスのサラダ(オリーブオイル)、クレアチン(ある場合)
このような感じです。
試合でのパフォーマンスは日々のトレーニングや直前までのコンディショニングに加え、栄養摂取が非常に重要となってきます。
今まで自己流で、良かれと思ってやっていたことが実は悪影響を招いていたというケースは十分あると思います。今回ご紹介した栄養摂取モデルはスポーツ栄養に詳しい十数名の栄養士や医師の意見をまとめて作成されたもので、具体的な食事例は僕がそれを基に、日本人になじみのある食品で考えたものです。
好き嫌いはあるかと思うので、もちろん上記に挙げたようなメニューでなくとも、ポイントを抑えたうえで同じような栄養素が摂れていれば大丈夫です。
いろいろなダイエットを行っている方がいるかと思いますが、本記事でご紹介した食事であれば恐らく大抵の方にとっておススメできるものとなっていますので、ぜひご参考にしてみてください!
では!(^^)/